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観光立国

村上春樹の「遠い太鼓」という主に海外生活についてまとめた本を読んでいる。以前度読んだ本だけど、最近は色々と昔読んだ本を電子書籍で改めて買って、ぱらぱらと読みなおしている(新たに面白い本を探すのはそれなりに労力がいるので)。

ギリシャのホテルのオーナーが観光につて村上春樹に語っている場面が印象的。どうも心配性の人らしく「ギリシャは観光資源に恵まれているんだから、観光をいかして立国すればいいといいます。でもそういう風に国家を作ってしまうのはとても危険なことなのです」と。

つまり、観光というのはテロや災害、人災(海洋汚染とか)、伝染病とかの影響で突然観光客がこなくなる事態が起こりうるのだと。

今になって読み返すと、なかなかに預言的ですね。

なぜこのくだりが気になったかというと、直前にテレビのニュースでやってた経済ネタで、世界のツーリストの数は全体として拡大基調にあるので、日本は今後も観光に力を入れるべき・・みたいな話をしていたからだ。

いやまあ観光が悪いとは言わないけど、国としてそこに依存するのはいかがなものか(急に評論家口調)。そもそもこの国の指導者たちは、「どれだけ沢山の外国人を呼び込めるか」という人数ばかりを目標にしているようで、それによって経済にどう好影響を与えるか、という仕組みについてはまともに考えていないようだ。

まあ、だからどうしたっていう話なんだけど。。