Green, blue and etc.

Cameras: SONY α7S, OLYMPUS OM-D E-M1, DMC-GM5, DMC-GF7, FUJIFILM X-T2

ゴヤの名画と

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先週、映画「ゴヤの名画と優しい泥棒」を観てきた。とりあえず、今年絶対観ておくべき映画の一つですね。

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ともかく英国映画らしい夫婦の辛辣なやり取りが面白い。特に、理屈をこねる夫を間髪入れず一撃で粉砕する老妻の返しが秀逸。すべてのセリフが計算しつくされたようにかみ合っていく。
ストーリーの方は、孤独な高齢者のために名画を盗んだ男が裁判にかけられて・・という分かりやすい話で、当然展開はすぐ読めるんだけど、そんなことは関係なく脚本と役者の力で観客を物語に引きずりこんでいく。そして後半、法廷での弁護士と被告の掛け合いは、まさにイギリス映画の真骨頂という感じ。

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それにしても、この喜劇風の映画がなぜにこんなにも感動的なのか。
思うに、我々はきっと賢く生きること、損をしなように生きること(あるいはそのような人を見ること)にひどく疲れてしまったからなのかも知れない。
この映画の主人公のように、ただ自分が正しいと思うことを、自己犠牲としてではなく、当然のように出来たらどれほど気分がよいだろう。そう思うと、いろいろと気持ちのタガが緩んでくるのだ。お時間があればぜし。