Green, blue and etc.

Cameras: SONY α7S, OLYMPUS OM-D E-M1, DMC-GM5, DMC-GF7, FUJIFILM X-T2

Netflix 新聞記者/The Journalist

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再びNetflixねた。なかなかおすすめドラマです。

いつの間にかうやむやになろうとしている森友・加計学園問題をベースにした6話連続の作品。例によって予備知識なく見始めたけど、さすがに世界に配信するNetflixらしく、いわゆる日本のドラマに多用されるカリカチュアされた妙なキャラクターとか、いかにも「熱演してます」的な不自然な演技が出てこないところがいい。まあ、世界的に日本人は無表情っていうステレオタイプなイメージがあるようだから、役所側の俳優陣は多少キャラクターを設定されているのかもしれなけど。特に佐野史郎は、人を恫喝するわけでもないのに何物も寄せ付けいないようなダークな圧力を感じさせて、なかなかの好キャスティング。

あとからネットで調べてみると、ストーリーが事実に対してどうこう・・という批判もあるようだけど、そもそもドラマなんだから現実との違いを指摘してもあまり意味がない。それより不思議なのは、これほどの政治が絡む大きな不正事件なのに政治家がほとんど登場せず(と言うか全く出てこない)、官僚の世界を中心にして描かれていること。日本人なら誰でも味わったことのある、いわゆる組織の不条理さが執拗なほど描かれている。

前半は「この国の未来」とか「上からの圧力」みたいな、いわゆる社会派の作品によくあるようなセリフが出てくる。だけど物語が後半になるにつれて、我々に突き付けられるのは、あなたならどうするか、という個人的な問いかけであり、それはつまり「私たちはどう生きるか」という問いでもある。言い方を変えれば、「この国」の未来は私たちの子供達の未来なのだ、ということだ。もちろん登場人物はそのようなセリフは口にしないし、演出も視聴者の感情を煽ることなく、ひたすら抑えて作られている。

全体にダークなトーンでまとめられているものの(と言うか、だからこそなのかも知れないが)、エンディングに向けて希望の持てる展開になっていて、後味は決して悪くない。むしろ驚くほど感動的ですらある。

休日だったら一気見できるボリュームなので、未見の方は週末にぜひ。