もう何年も前のこと。地方のローカル線に乗っていたら、通路の向かい側の席に外国人ファミリーが乗ってきた。恐らくアメリカ人ではなく、欧州系な感じ。しばらくすると乗換駅が不安になったのか、前の席の、こちらも旅行者らしきおばちゃん達に質問し始めた、それも英語で。
あらあら、日本のおばちゃんに英語で聞いたって無理よ、と思ってたら、なんとハキハキと英語で教えてるではないか。おお日本も変わったものよ、とことの成り行きを見守っていた私は一旦胸を撫で下ろしたのだ。
ところが、しばらくして車掌さんがきて、そのおばちゃん達に声を掛けると、今度は上手く意思疎通が出来ないようで様子がおかしい。聞き耳を立ててみると、どうやらおばちゃん達は日本人ではなく中国か何処かの旅行者らしい。
どうりで英語が達者なはずだ。日本もついにツーリストがツーリストを助ける時代になったのか、と思ったものだ。
またいつか、こうした光景が見られるようになるのだろうか。