先日、クインシー・ジョーンズの訃報が流れた。
どのニュースも「スリラー」のプロデューサー・・のような紹介をしていたが、星野源がラジオで「We Are The World」を取り上げていて、おおそうだと思い出した。
錚々たるアーティストが一つのスタジオに会して、一夜限りのスーパーグループとしてアフリカ飢餓救済のためのレコーディングを行ったのだが、そのメイキング映像を見て、我々世代は興奮したものだった。
特にボーカルソロパートのつなぎ方がすごい。冒頭から、ライオネル・リッチー、スティーヴィー・ワンダー、ポール・サイモンのリレーが豪華すぎる。それぞれが、ひと節うなる(?)だけで、胸倉つかまれて別の世界に持っていかれるような、強烈なヴォーカルを持っている。残念ながら現代のアーティストをいくら集めてもこんな演奏にはならないだろう。
ヒューイ・ルイス、シンディ・ローパー、キム・カーンズのあたりもめちゃくちゃにカラフルで、さらにブルース・スプリングスティーンが出てくるともう何か事件でも起きたのか、と思うくらいだ(Netflixでこのメイキングが見られるので、契約者の方はぜひ。しかし「ポップスが最高に輝いた夜」という分かりにくいタイトルは何とかならんのか)。
思えばウイリー・ネルソンの存在を知ったのも、この曲だったのかもしれない。
改めて映像を見直して驚いたのは、あのライオネル・リッチーがミュージシャンの間を動き回って、全体をまとめようとしていたり、マイケル・ジャクソンが、肉声でヴォーカルメロディを他のアーティストに教えて回ったり、スタッフのような働きをしていること。
それ以外にも、スティーヴィー・ワンダーの周りに皆が集まって合唱していたり、レイ・チャールズがひとりでゴスペル風に弾き語りをしていたり、あらゆる光景が奇跡的なワンシーンとして納められている。
と、どんどん話がそれていくが、とりあえずR.I.P.
まあ、また向うでいろんなセッションをしてるんだろうけどね。