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みんないってしまう

書評家で文筆家の目黒考二が亡くなった。

何か最近訃報話ばかり書いている気がするがやむを得ない。

目黒考二北上次郎としての書評活動の方が知られているかも知れないが、もともとは「本の雑誌」の創刊者で発行人だ。

無類の本好きで、仕事をしていると読書の時間が無くなる、と言って本を読むこと自体が仕事になるよう、書評雑誌の会社を作ってしまったくらいで、相当変わっている。

昔は「本の雑誌」を定期購読をしていて、年末の年間ベスト本を決める座談会がやたら面白かった。絶妙な間でずれた発言をする営業担当がいて必ず皆から無視されたりして、面白い人が集まった会社だと思ったけど、後で考えればそういう発言は目黒氏が創作して付け加えたんだろう。

座談会の記事って、こんな風に創作も持ち込んで自由に書いていいんだ、と初めて気が付いた(別に座談会記事の起こし方なんて何の役にも立たないけど)。

ともかく読書家でありながら優れた書き手でもあった。

そういえば穂村弘も、この雑誌に寄稿していて、当時彼が歌人であることは知らず、面白い視点を持った人だなあ、といつも感心していた。

そういう新しい才能を世に送り出す雑誌でもあったんだろう。

ともかく、あちらの世界で有り余る時間を使って、好きなだけ本を読んでください。
合掌。